2024年2月1日付で弊社は株式会社アルメディオとの間で、軽量・高強度・高耐熱部品及び高機能性耐熱・断熱材料の製品開発について技術提携契約を締結いたしました。

湘南先端材料研究所が開発したCMC成型用特殊プリプレグを用いることで、短期間に航空宇宙用の軽量・高強度・高耐熱材料(CMC (Ceramic Matrix Composite))を提供することができます。このCMC成形用特殊プリプレグ*の利用により、広く普及している複合材料CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製造装置が準用できることと短期間で製造できるため、競合材料(海外製CMC)の製造コストに比べてはるかに低いコストで製造できることが特長です。

湘南先端材料研究所の技術によるCMCは一昨年JAXA(宇宙航空研究開発機構)によって「革新的将来宇宙輸送プログラム」に選定され、宇宙往還機(日本版スペースシャトル)用の耐熱・断熱外壁(熱防護システム)への適用に向けてJAXAと共同研究を行っております。すでに、高温曲げ試験、アーク加熱風洞試験(極超音速時の耐熱・耐久性の評価が可能)において想定以上の良好な結果が得られました。

一方、アルメディオは、CNF(Carbon Nano Fiber)で培った技術、事業展開に加え、この技術提携を通して航空宇宙応用のみならず、開発した材料技術の地上での社会実装(自動車他一般民生応用)の視点から、軽量・高強度・高耐熱部品分野への事業展開を進めることを計画しています。

この度の技術提携は、共同で「低コストCMC」と「ナノ材料技術」との、異種技術のハイブリッド化から創出される、新しい燃料電池用断熱材/導電材、レドーム用電波吸収材料、高耐熱用途プリント基板(PCB)等の開発を目指すものです。近い将来、次世代のエネルギー関連材料(燃料電池、リチウムイオン電池)や電子部品(耐熱プリント配線基板等)分野の市場へ参入することを計画しております。

*CMC成形用特殊プリプレグ:  引き揃えられた高強度セラミックス繊維あるいはセラミック繊維ファブリックに、独自に調質したホウケイ酸ガラス系成分から構成される粉体とマトリックセラミック粉体とを予め混合して作製したセラミックスラリーを含侵したシート状のもの