[ I ] マシナブルCMC (機械加工が自由・自在な、超高靭性長繊維強化セラミックス)
(特許取得技術)
長繊維強化セラミックスの独創的な新規成形法である。
マトリックスとしてアルミナ(Al2O3)あるいは炭化珪素(SiC)セラミックスラリーを用い、炭化珪素系長繊維を含浸強化したCMCプリプレグ成形法を開発した。他の成形法、例えばCVI法のような高価な成形設備を必要とせずコストパーフォーマンスに優れ、また自由な機械加工性(切断、研磨、穴あけ、溝掘り等)を有することから、幅広い応用が期待できる。強度/剛性や熱膨張係数のテイラリングが可能である。
期待される応用分野:
FRPやアルミニウムなどでは使えない高温環境で使用し、
しかも高強度/高靭性を要する分野
たとえば、
- 自動車(エンジン、マフラー、燃料電池用防炎バリアー/耐熱・防振ケーシング等)、航空宇宙応用部品(エンジン周辺部品、ロケットノズル、宇宙往還機の耐熱外壁等)
- 各種耐熱/断熱部品
- 優れた防炎・不燃・消炎性材料(他材料との組合せにより不燃性を付与できる)
- 高靭性・絶縁材料
- 精密機械、電気・電子部品 (熱膨張係数が小さいことが要求される)
- ロール材料、ベアリング (耐摩耗性が要求される)
マシナブルCMC
開発したCMCの各種物理的特性
セラミックス | 樹脂 | 金属 | ||||||
材料 | CMC (2014.09現在) | Al2O3 | ZrO2 | PA | Al | 炭素鋼 | SUS | Cu |
密度[g/cm3] | 2.3-2.8 | 3.6-3.9 | 5.6-6.0 | 1.12~1.14 | 2.7 | 7.8 | 7.8 | 8.9 |
比熱[J/Kg℃] | 1180 | 800 | 460 | 1590 | 900 | 461 | 461 | 419 |
熱伝導率 [W/mK] | 2.7-3.2 | 8-34 | 3 | 0.25 | 204 | 53 | 31 | 327 |
線誇張係数 [10-6/℃] | 4.0-4.8 | 6.8-7.2 | 10.5 | 80 | 23.5 | 12.1 | 10 | 17.7 |
- 優れた機械加工性 (切削、研磨、穴あけ、溝掘り等、各種加工)
- 耐熱/断熱応用:エンジン、ロケットノズル、排気パイプ等
- 高温での寸法安定性 (線膨張係数が小さい)
- 破壊靭性が高いことから耐衝撃応用: 自動車、船舶、防弾チョッキ等
- もろくないセラミックス ( KIC = 20MPa・m1/2以上)
- 軽量・高強度 (密度: 2.3-2.8、曲げ強度: 550MPa (Vf = 20%) )
- 耐摩耗応用
- 電気絶縁性
[ II ] 制振性CFRP梁構造部材( 日、独、米特許取得技術 )
特許技術である制振CFRP構造材料/システムを利用した場合、ボックスビーム形状では同一寸法のアルミボックスビームと比較して振動の静止までの時間は1/20~1/30に短縮され、従来材のCFRPボックスビームと比較しても約1/2~1/5の制振時間である。
本制振CFRP構造材料/システムは、スマートコンポジット化により部材内部が圧電素子要素と粘弾性要素から構成されており、それぞれの制振要素が効果を発揮するのみならず、組合せによるシナジー効果が存在することが実験により確認されている。
期待される応用分野:
軽量・高強度のFRPに振動減衰性能
防音・遮音性能を付与するための設計、成形技術
- ロボットアーム
- 風力発電用風車材料
- 自動車・車両応用制振材料/構造
- 航空宇宙応用制振材料/構造
- スポーツ材料(ゴルフシャフト、テニスラケット)
- 防音・遮音材料(土木・建築分野、各種機械・電気部品)
[ III ]その他( 耐摩耗性CFRP、放熱性FRP、耐疲労性CFRP等 )
( 国内特許取得技術 )
制振性CFRP梁構造部材
制振性 CFRP
特許取得(日本、米、独)
①2.2m長さロボットハンド (制振性CFRP) 制振時間:0.615秒 | |
②2.2m長さロボットハンド (一般のCFRP) 制振時間:2.410秒 | |
③2.2m長さロボットハンド (アルミニウム) 制振時間:20.299秒 |